二つの合理性と日本のソフトウェア工学

を読んだ。

日本のソフトウェア産業はダメダメなんですよ。けど、ソフトウェア産業のトップを行くアメリカでは、トヨタ生産方式と同じ考え方を持つ「アジャイルな開発」が注目されている。お前ら、これはチャンスですよ、みたいな話。

この文書、SIerはぜひ読んで欲しい、っていうか必ず読め。おながいします。

あと。いくつか気に入ったトコロを引用。

アメリカ社会やヨーロッパ社会にみられるような合理的思考法が身に付かない限り、日本という社会は、ソフトウェアの分野に限定すれば、アメリカやヨーロッパと同じレベルで競うことさえできないのではないか?
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最近まで、我々は、そう考えていた。しかし、その「本家」アメリカで、この考え方を覆すような事態が起きている。失われた10年の間に、世界の最先端を行くアメリカのソフトウェア・コンサルタントたちが、トヨタ生産法のような「日本式」を、ソフトウェア工学の手法に取り入れ始めたのである。
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そして、今、それが急速に変化していくビジネスに対応するために、ソフトウェア工学の技術として不可欠なものになりつつある。
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 このことを深く理解して利用すれば、日本のソフトウェア工学ソフトウェア産業のレベルが飛躍的に高まる可能性がある。現在は、日本のソフトウェア工学を世界の水準に高める千載一遇のチャンスである可能性が極めて高いのである。このチャンスを逃してはならない。

アジャイル方法論を子細に分析すると、実はup-frontの基礎理論と同じ仕組みがしっかりと組み込まれていることがわかる。たとえば、XPの主要部分であるTDDにはup-front開発の基礎とされるホーア論理学に基づくプログラム開発法が巧妙に組み込まれているといえる。

実は現実的up-front開発の代表である、UMLベースのモデリングの研究を通して、分かりつつあることは、要求仕様の獲得としてのモデリングにおいて、最も効率的に要求を集める手法の1つはアジャイル法を使うことなのである。